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1: 名無しさん@おーぷん 平成31年 03/31(日)17:33:11 ID:XdB
本拠地、札幌ドームで迎えたオリックス戦
先発有原が好投、打線は勢いを見せ快勝だった
スタジアムに響くファンの歓声、どこからか聞こえる「今年は優勝だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、移籍3年目の大田は独りベンチで泣いていた
オープン戦で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の日ハムで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」大田は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、大田ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って笑顔でこばんを食べなくちゃな」大田は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、大田はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した大田が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにジャイアンツの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする大田の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「タイシ、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った大田は目を疑った
「あ・・・阿部さん?」  「なんだ大田、居眠りでもしてたのか?」
「ち・・・長野さん?」  「なんだ大田、かってに長野さんを移籍させやがって」
「原監督・・・」  大田は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:長野 2番:井端 3番:坂本 4番:阿部 5番:村田 6番:内川 7番:隠善 8番:小林 9番:内海
暫時、唖然としていた大田だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
セペダからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する内川、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている大田が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った

引用元: ・大田「どうすりゃいいんだ・・・」

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